(西條)皆様、本日はお忙しい中、ご参加いただき誠にありがとうございます。
これより、エキサイトホールディングス株式会社2026年3月期第1四半期決算説明会を開催します。
オンライン診療サービスを新設セグメント「メディカル事業」に。報告セグメントを見直し
まずはじめに、今期より報告セグメントを変更しましたので、ご説明します。変更の理由としましては、「中期経営計画 EXCITE300」の達成に向け、当社が成長の柱と位置づけるメディカル領域の進捗をより明確にお示しするためです。
具体的な変更概要ですが、スライド右側にあります通り、これまで「プラットフォーム事業」に含めていましたオンライン診療等のサービスを「メディカル事業」として独立させ、新たな報告セグメントとして新設しました。
今後メディカル事業を成長ドライバーとして育てながら、既存事業の収益性改善とキャッシュ創出の両立を推進してまいります。
1Qの連結売上高は25億5,200万円と前年同期比で26.4%増収
それでは1Qの決算概要、エグゼクティブサマリーをご説明します。
まず良い点としまして、連結の売上高は25億5,200万円、前年同期比で26.4%増と大幅な増収を達成しました。これは、先ほど新セグメントとしてご説明したメディカル事業がYonYで1,412.6%増と急成長であることが全体を牽引した結果となっています。
当社はこれまで、ピルを中心とした診療科目を軸に事業を展開してまいりましたが、今期は「ピルに続く第二の柱」の確立を重要な経営目標として掲げていました。こうした方針のもと、新たに取り組んでいるダイエット領域が順調に成長し、1Q時点で月間GMVは約1億円規模まで拡大しています。
また「プラットフォーム事業」におきましては、前期、広告宣伝費を積極的に投下してまいりましたカウンセリングサービスを、利益の成長を優先する方針に転換しており、YonYで31.7%の大幅な増益となりました。
一方で「プラットフォーム事業」内のメディアサービスにおきましては、4月からの広告単価の下落が影響し、YonYで8,000万円の減益となりました。 こちらは1Qをボトムとして回復基調となっており、現在建て直しを図っている状況です。
営業利益は広告単価低下の影響も1Qで底打ち。特別損失は織り込み済みで2Q以降は影響なし
続いて、連結損益計算書の詳細です。
売上高は、先ほど申し上げた通り25億5,200万円、前年同期比で26.4%増とメディカル事業の伸長により大幅な増収となりました。
売上総利益率も、利益率の高い事業が伸長したことにより、昨年から9.1ポイント改善し58.6%となっています。一方で、営業利益は7,100万円、前年同期比で29.7%の減益となりました。これはカウンセリング事業は増益だったものの、メディア事業の広告単価下落による影響が8,000万円あったことが主な要因です。
また、親会社株主に帰属する四半期純利益は、マイナス2,200万円の損失となりました。これは、本社移転費用6,800万円、事業撤退損3,300万円、合計1億100万円を特別損失として計上したことによるものです。この特別損失は期初より織り込み済みであり、2Q以降は発生しない見込みでございます。
次に、財政状態を示す連結貸借対照表ですが、純資産は35億5,000万円、自己資本比率は33.1%となりました。
前期に実施したONE MEDICAL社の株式取得に伴う借り入れにより一時的に低下しましたが、引き続き健全な財務体質を維持しています。
有利子負債は長期借入金の返済等により前期末から1億4,000万円減少し、総資産に占める有利子負債割合も減少傾向にあります。
PBRは現状1.70倍ですが、引き続き資本コストを意識した経営を行い、企業価値向上を目指してまいります。

ONE MEDICAL単体のGMVは、連結前の昨年10月比で2.3倍の2.39億円に
ここからは、成長ドライバーであるメディカル事業の進捗について、詳しくご説明します。こちらはONE MEDICAL単体のGMV、患者様がクリニックに支払う報酬総額を意味しています。
ご覧の通りGMVは順調に拡大しており、直近6月のGMVは2億3,900万円に達しました。 これは連結を開始する前の昨年10月の1億500万円と比較して、2.3倍の成長となっています。先程も申し上げましたとおり、今回ピルに続く診療科目としてダイエット領域が急速に立ち上がっており、成長を牽引している状況です。
GMVの成長に伴い、売上高も大きく拡大。「オンライン診療」注力のため「医療メディア」は縮小方針
ONE MEDICALの売上高の推移です。
GMVの成長に伴い、売上高も力強く伸長しており、6月の月間売上高は2億円を達成しました。昨年10月の1億200万円から約2倍の成長となります。グラフの薄い緑で示しています「医療メディア」につきましては、連結開始前にONE MEDICAL社で注力していた事業となっており、現在は今後の成長に期待できる「オンライン診療」にリソースを集中するため、縮小方針としています。
新科目のGMVが約1億円に成長。先行投資で営業利益は一時的減少も2Q以降回復へ
ONE MEDICALの調整後営業利益の推移です。こちらの調整後営業利益とは「セグメント利益」に「経営指導料」と「のれん償却費」を加えたものとなっていまして、連結開始前と同じ基準で比較いただくために作成しています。
経営指導料は、当社が純粋持株会社のため子会社から徴収しているものになります。売上高を基準に徴収しているものでありますため、売上高成長性の高いONE MEDICALは負担が大きい構造となっています。
1Qにおきましては、特にダイエット領域の売上成長を最優先し、広告宣伝費を積極的に投下しました結果、利益は一時的に低下しています。しかしながらこの先行投資により、ダイエットのGMVは約1億円まで拡大し、事業の新たな柱として成長しました。
ダイエット領域は、長期間にわたりご利用いただく患者様が多く、継続率およびLTVが高いことが特長です。こうした基盤が整ったことから、メディカル事業の2Q以降は利益の回復を見込んでいます。
メディカル事業を成長軸に各事業で利益創出を進め、通期業績達成を目指す
EBITDAは12億円2026年3月期の通期業績見通しです。
期初予想では、売上高の見通しの内訳を詳しくお伝えできていませんでしたため、今回開示させていただきましたが、全体の売上高は110億円、前年比21%増を見込んでおり、内訳としましては、メディカル事業が30億円と前期から213.2%増と大きく成長する計画です。EBITDAは12億円、営業利益は6億1,000万円、親会社株主に帰属する当期純利益は3億2,000万円と、各利益段階で大幅な増益を見込んでいます。
これらの増減理由と今期の方針としまして、「セグメント別の売上見通しと今期の方針」で説明しています。
メディカル事業は先ほどご説明の通り、ダイエット領域の成長が牽引し、6月の売上高が2億円まで拡大いたしました。2Q以降は利益創出を優先する方針ですが、継続的な成長を見込んでいます。
プラットフォーム事業は、1Qで底打ちは確認できていますが、回復途中のため2Q以降も減収を見込んでいます。カウンセリングは今期に関してはメディアの業績を考慮し、売上高よりも利益創出を優先してまいります。
ブロードバンド事業は新商品である10ギガ回線の強化等により、利益創出を優先しながらも業績予想の達成を目指します。
SaaS・DX事業は、前期にDX事業で大型案件があった反動により減収を見込みますが、SaaS領域、特にFanGrowthを中心に大幅な増収を見込んでいます。
最後に、通期業績見通しに対する1Q終了時点での進捗率です。
売上高は25億5,200万円で、進捗率は23.2%と、概ね想定通りのスタートとなっています。一方、EBITDA以下の各利益段階の進捗率は10%前後となっており、これは、メディア事業の広告単価の下落による影響および1Qに計画通り計上した特別損失によるものです。
先ほどご説明の通り、特別損失は2Q以降発生せず、また、メディカル・カウンセリング・ブロードバンド事業を中心にコストコントロールを行っていくことで、2Q以降は利益を回復させていく方針です。
通期業績予想の達成に向けて、全社一丸となって取り組んでまいります。
私からのご説明は以上となります。ご視聴いただき、ありがとうございました。
| 質疑応答
Q :メディカル事業の今後の成長性と戦略について教えてください。
石井:今期の大きな目標は、ピルに続く第2の柱となる診療科目を作るということでした。具体的には、ダイエットを立ち上げ、月商1億円を超えるということを目標としていましたが、既にGMVベースでは約1億円まで拡大しています。
今期の売上計画は30億円ですが、ダイエットが立ち上がったことにより達成に向けて順調に推移していると考えています。
来期以降も年に1つずつ月商1億円を超える診療科目を立ち上げていけば、中計のメディカル事業での売上高50億円は達成できると考えています。
Q :メディアサービスの回復状況と今後の見通しについて教えてください。
石井:メディアについては4月以降30%近く広告単価が下落しましたが、6月で底打ち、現在回復途上であり、7月は10%戻したというところになります。従いまして、7月時点では、3月比で20%下落しているという状況です。
今後も緩やかに回復していく見通しですが、前期までの水準には戻らないという前提で計画を立てています。そのため、成長事業への人員異動、外注費等の削減、不採算サービスの終了といった利益改善策をすでに終えているという状況となっています。
Q :今期の業績予想の達成は可能でしょうか。
石井:売上については、順調に進捗しています。一方、利益面においては進捗率がビハインドしていますが、その要因は以下の2点となっています。
1つ目は業績予想でもお伝えしていましたとおり、メディアの広告単価の下落による影響です。
2つ目はメディカル事業においてダイエット立ち上げのため、広告宣伝費を積極的に投下したためであります。
メディア事業については、先ほどご回答した施策を実行しています。メディカル事業については、ダイエットがピルに続く第二の柱として短期間で立ち上がったため、2Q以降は利益を創出していく予定です。
また、カウンセリング、ブロードバンドも売上成長より利益創出を優先、M&A仲介の成約報酬も見込んでおり、メディアの落ち込みを他の事業でカバーし、業績予想を達成していきたいと考えています。