2024.11.20

決算資料

2025年3月期 第2四半期決算説明(書き起こし)

皆様、本日はご視聴いただきましてありがとうございます。代表取締役社長CEOの西條です。
2025年3月期第2四半期決算を説明させていただきます。

2025年3月期 第2四半期決算概要

まず2Qの業績ですが、売上高は前年同期比で11.7%の増収となりました。
今期は広告費や人件費を中心に積極的な投資を進めていますため、販管費は前年同期比で1億6,100万円増加しましたが、EBITDAは12.5%の増益を達成しています。

セグメント別で見ますと、プラットフォーム事業はカウンセリング相談回数が引き続き増加し、過去最高の売上高を更新しました。メディア事業もページビューの回復により、大幅な増収増益となっています。一方、新規事業であるSaaS・DX事業は依然として赤字ではあるものの、FanGrowthとSharelyの貢献により前年同期比で売上高30.3%の増収と着実に成長しています。

ONE MEDICAL社の株式を取得

2Qのトピックスとしましては今回、オンライン診療支援事業を展開するONE MEDICAL社の株式を38億6,200万円で取得しました。
ONE MEDICAL社の特徴・強みは、高い専門性を有する独自のWEBマーケティングノウハウ、またオンライン診療システムの提供をオペレーションを含め包括的に、効率良く実現している点にあります。

WEBから患者様を集客し、クリニックへ送客するビジネスモデルですが、提携先のクリニックとは強固なアライアンスを構築しており、単なる送客に留まらず、クリニック側のオペレーションも高いレベルでコントロール可能となっている点が、成果を上げている要因となっています。

当社も同様のビジネスモデルであるマウスピース矯正事業のEMININALを展開していますが、集客とオペレーションが重要となっていますので、ONE MEDICAL社のノウハウを反映し、成長を加速させたいと考えています。

診療科目は女性向けのピルをはじめ、ニキビの治療、その他2つほど診療科目があります。売上が大きいピルに次ぐ、他の診療科目も順調に伸びており、これが積み重なるイメージで拡大を見込んでいます。

ONE MEDICAL社の過去の業績は、「ONE MEDICAL株式会社の株式取得(子会社化)及び資金の借入に関するお知らせ」にて開示していますので、ご覧いただければと思いますが、2025年2月期(上期)は売上高9億5,900万円、営業利益2億5,500万円、毎月継続的に伸びていますので、通期では上期の2倍以上の売上高を見込んでいます。

買収の背景

今回ONE MEDICAL社を取得した理由は、オンライン診療支援事業への本格参入を図り第4の柱として注力すること、また経営陣の優れた実力にあります。
社長の勝俣氏は20代、副社長の金田氏も30代前半と若いながらも、学生時代からWEBマーケティングに携わり、大人顔負けの実績を上げています。私自身、毎年多くの経営者にお会いしていますが、これまでのメディア事業や主力であるオンライン診療支援事業において、営業利益で4〜5億円、あるいは10億円以上の成果を、わずか2〜3年で再現性をもって達成するというのは並大抵のことではありません。このような優れた経営手腕とノウハウをエキサイトホールディングスのグループに取り込むべきだと判断しました。

オンライン診療市場の成長性については、欧米ではすでにかなり普及が進んでおり、特にコロナ禍を機に約50〜70%まで拡大しました。一方で、日本も普及率が拡大しているものの、欧米と比較するとまだ成長の余地が大きい状況です。
オンライン診療にはさまざまな分野がありますが、当社が提供している女性の健康や美容に関するオンライン診療は、市場全体の成長率を上回るペースで伸びています。このため、非常に大きな成長ポテンシャルを持っていると考えています。

海外にも同様のビジネスモデルが存在する中で、特に参考にしているのが、欧米の類似企業であるHims & Hers Healthです。
この会社は2023年12月期実績で売上高約1,300億円、2024年10月25日時点の時価総額は6,782億円に達しており、株価は1年前の約3倍にまで上昇しています。このように売上が順調に伸びており、高い成長率を維持していることから、株式市場でも非常に高く評価されている状況です。

株式取得に伴う業績予想の修正

今回の株式取得に伴い、売上の上方修正を行いましたので、修正前の通期業績予想に対する2Q時点での進捗率になります。
期初の売上高予想85億円に対し、2Qまでの進捗率は48.6%となっています。50%には届いていませんが、後半に売上が伸びる計画のため、現時点では予定通り進捗している状況です。一方で営業利益、経常利益、当期純利益については、いずれも進捗率が50%を超えており、通期計画の達成に向けて非常に順調に推移しています。

通期業績予想の修正につきましては、売上高は85億円から90億円へ上方修正しています。
これまで、業績予想にEBITDAを含めておりませんでしたが、2Q以降はEBITDAも積極的に開示していく方針です。現在の予想では、8億4,000万円から8億9,000万円に修正を見込んでいます。

営業利益に関しては、今回の買収に伴い発生するのれんが影響します。こののれんの償却期間によって変動はありますが、現時点では営業利益と相殺される形で、ONE MEDICAL社の部分はフラットな見通しとしています。

経常利益および当期純利益については、ONE MEDICAL社の買収に伴いみずほ銀行からほぼ全額を借り入れて資金調達を行いました。
この借入に伴う融資手数料として、一時的に1億1,300万円の費用が発生しています。そのため、今期の利益予想は一時的に減少する見込みですが、これは特殊要因であり、来期以降の業績には影響しない見通しです。配当に関しては、現時点では従来通りの予定で修正はありません。

連結損益計算書です。
売上高は21億1,000万円、EBITDAは2億円、営業利益は1億3,300万円、当期純利益は1億1,200万円となっています。

2Qまでの連結損益計算書です。
これらは累計の数値で、売上高は41億3,000万円、EBITDAは3億6,200万円、営業利益は2億3,400万円、当期純利益は1億7,800万円と確実に成長している状況です。

連結貸借対照表です。
2024年3月末から9月末にかけて、現預金がやや減少していますが、これは配当金および法人税等の支払いによるものです。自己資本比率は59.6%を維持しており、引き続き高い水準を保っています。
なお、今回のM&A実施後についても、記載の通り健全な自己資本比率を維持できる見通しです。

セグメント別の業績について

セグメント別の売上高です。
プラットフォーム事業はカウンセリングサービスが過去最高の売上を更新し、メディア事業についてもページビューが回復するなど、順調に成長しています。ブロードバンド事業は低成長ではあるものの、安定した推移を維持しています。

セグメント別営業利益です。
プラットフォーム事業が1億7,000万円、ブロードバンド事業が1億4,800万円と、いずれも堅実な利益を確保しています。SaaS・DX事業は赤字を計上していますが、こちらは人材採用の強化によるものになります。

販管費の推移です。
当社グループでは優秀な人材の採用を継続的に進めていますが、大量採用を行わず、生産性を重視した体制づくりを基本方針としています。また今期は売上高拡大を目指し、広告宣伝費と人件費を増やす計画により、費用が増加しています。採用に伴う手数料は一過性の費用であり、業績への大きな影響はないと考えています。

以降はセグメント別の業績になりますので、コーポレートサイトに掲載の決算説明資料をご覧ください。
それでは以上を持ちまして、2025年3月期第2四半期の決算説明会を終了します。ご清聴ありがとうございました。

質疑応答

Q :ONE MEDICAL社の過去の業績についてボラティリティがあるように見受けられますが、この要因はどういったものでしょうか?

西條:これまで主にメディア事業を展開しておりましたので、Googleの検索アルゴリズム(ロジック)の変更が年に数回行われ、それに伴いSEOの検索結果の順位が上下し、広告収入が増減するという特性がありました。現在はオンライン診療支援事業にシフトし、主力ビジネスとなっていますため、過去のメディア事業で見られたような収益の変動(ボラティリティ)は、オンライン診療を軸にした事業構造においては生じにくいと考えています。

Q  :ONE MEDICAL社の強みとオンライン診療支援事業の今後の展望は?

西條:先日の株式取得の補足資料では具体的にどの診療分野を扱っているかが記載されておらず、分かりづらかったかと思いますが、現在特に注力しているのは、女性向けのピルとニキビ治療となっています。これらが順調に成長している中で、新たに2つの診療科目を追加し、市場に適応できるかを検証している段階です。
今後の診療科目については、すでに可能性のあるリストを作成しており、20、30程度の候補が挙がっています。優先順位の高いものから順次テストを行い、成果が見込まれる場合にはマーケティング予算を積極的に投入していく方針です。

また、経営陣2名を含め、今回当社グループに加わったメンバーからノウハウを吸収するため、社内ではすでに密接に協力体制を築いています。当社のマーケティング担当者や幹部社員も彼らと机を並べ、知見を共有しながら成長を図っており、当社全体へのシナジー効果も期待しています。

Q  :M&A BASE社が展開しているサーチファンドのその後の状況を教えてください。

西條:サーチファンド自体の組成はすでに完了しており、現在はファンドの規模をさらに拡大するため、外部投資家を募る活動を進めています。具体的な案件については、現在2件が進行中であり、近い将来ご報告できる見通しです。
またM&A BASEが展開するM&A仲介事業についても、3Qに実績も出てきており、今後の収益への貢献を見込んでいます。